SSI予防ガイドライン2017

先日JAMA surgeryからpublishされたアメリカのCDCが発表した2017年のSSI予防に関するガイドライン(Centers for Disease Control and Prevention Guideline for the Prevention of Surgical Site Infection, 2017.)です。CDCが発行したSSI予防に関するガイドラインは1999年が最後になるので、かなり久々の改訂になります。世界的には2016年11月にWHOが発行したGlobal guidelines on the prevention of surgical site infectionが最新の国際ガイドラインになるので、現時点では多くの病院がこのガイドラインに基づいてSSI予防を行っているように思います。早速CDCの新ガイドラインを読んでみたので簡単に紹介します(自分自身の勉強の意味も込めて)。
1998年から2014年4月までに出版された5487の文献レビューから170の研究を抽出してガイドラインは作成されています。2006年から2009年にアメリカではSSIの合併症は約1.9%ですが、Evidenceに基づいた管理が行われれば約半数に減らすことができるのではないかと書かれています。このガイドラインで推奨されていることを箇条書きで抜粋すると以下の通りになります(カッコ内はエビデンスレベル)。
・手術前日の夜に石鹸を用いて全身のシャワーをする(1B)。
・臨床試験に基づいたガイドラインで示されている時に限り、予防的抗菌薬投与を行う(1B)。
・帝王切開術については全例皮膚切開前に予防的抗菌薬投与を行う(1A)。
・禁忌でなければ手術開始前に皮膚切開部位のアルコール消毒を行う(1A)。
・ClearもしくはClean/contaminatedの手術ではドレーンの有無に関わらず、閉創後の予防抗菌薬投与はすべきではない(1A)。
・周術期は血糖値を200mg/dL未満でコントロールする(1A)。
・周術期は正常体温で管理を行う(1A)。
・呼吸機能正常の全身麻酔患者では術中および抜管後はFiO2を上げて管理するべきである(1A)。
・血液製剤の投与はSSI予防の観点からは差し控えるべきではない(1B)。
以上が新ガイドラインの簡単なまとめです。抗菌薬の耐性菌も増えてきている現在、予防的抗菌薬投与の期間もますます短くなっていきそうです。まだまだ未解決の問題が多いようなので、今後の更なる研究に期待しています。
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自由に生きる小児外科医

自由に生きる小児外科医

都内の病院に勤務している小児外科医。まだまだ修行中ですが、子どもたちの助けになるべく日々奮闘中。詳細はプロフィールをご覧ください。
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