新専門医制度により内科医が減少、医療崩壊を招く

12月3日に開催された「現場からの医療改革推進協議会」のシンポジウムでは来年度から新たに開始される新専門医制度で内科医が20.9%、外科医が5.9%減少するという報告があったようです。みなさんこれを聞いてどのように思われるでしょうか?

以前の記事で新専門医制度に伴い内科医が減少することを危惧すると書きました。
新専門医制度について思うこと

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内科医が少なくなることは大問題

同僚や友人からの話を聞いて新専門医制度開始に伴い内科志望者が減ることはある程度予想がついていました。超高齢社会となった今、高血圧や糖尿病などの様々な内科疾患を持った患者が増えています。当然のことながら内科医のニーズは高まっていく一方なので、内科医が減ることは大問題です。医学生の定員が増えているにも関わらずなぜ内科医が減るのでしょうか?

なぜ内科医が減っていくのか?

①新専門医制度ではすべての内科をローテーションしなければならない
新専門医制度では、たとえば糖尿病内科を将来志望していても、消化器内科や循環器内科などの志望科以外の内科ローテーションが必須です。幅広い知識が身に付けられますし、それ自体はいいことだと思いますが、初期研修医の2年間でも同じことをしています。初期研修医でローテーションをしたにもかかわらず、再びローテーションをしなければいけないことは志望者を少なくする要因の一つでしょう。

②ワークライフバランス考える人が増えてきた
医者同士の夫婦が増えてきたことや世間で働き方改革が騒がれていることなど様々な要因が関係しますが、やはり最近はワークライフバランスを考える人が多くなりました。内科医は受け持ち患者数も多く、マイナー科と比較すれば忙しい場合がほとんどです。病院に泊まり込むくらい働きたい人もまだまだ存在しますが、世の中の流れとして忙しすぎる働き方を敬遠する人が大半です。

③内科医を題材にしたドラマがない
毎回のように医療系のドラマが放送されていますが、近年は内科医を取り上げたドラマはありません。コードブルーで救急医が増え、コウノトリで産婦人科医が増えています。ドクターXで外科医が増え、とはいかないようですが、最近の小学生の間ではドクターXが流行っていると今日診察した男の子は言っていました。内科医にも魅力はいっぱいありますが、どうしてもその他の科の方が魅力が多く、流れて行ってしまっている印象です。

私見ではありますが、とにかく内科医が減っていくことには危機感を覚えざるを得ません。内科や外科といった全身管理のできる医者が減っていくことは医療崩壊を招きます。何とかして止めたいところですが、実際の現場にいる若手医師からの発言はなかなか通らないのが現実です。

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都内の病院に勤務している小児外科医。まだまだ修行中ですが、子どもたちの助けになるべく日々奮闘中。詳細はプロフィールをご覧ください。
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