鼠径ヘルニア嵌頓とは?

鼠径ヘルニアは鼠径部の腹膜鞘状突起に腸管や卵巣などが飛び出してしまい、鼠径部の腫れとして自覚する病態です。基本的に鼠径部の腫れ以外に症状が出ることはありませんが、まれに腸管や卵巣が飛び出た状態から戻らなくなってしまうことがあり、鼠径ヘルニアの嵌頓と呼びます。小児の場合には新生児の鼠径ヘルニアで嵌頓を起こす可能性が最も高いと言われており、幼児期や学童期での鼠径ヘルニア嵌頓はまれです。

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嵌頓時の症状は?

腸管や卵巣などが嵌頓すると、嵌頓した臓器に血流が行かなくなり、激しい腹痛や嘔吐などの症状が出現し、鼠径部が赤く腫れあがります。

嵌頓してしまった場合はどうすればよいのか?

上記の症状が出た場合や鼠径ヘルニアを押しても戻らない場合にはすぐに病院を受診してください。嵌頓の時間が長くなれば、腸管や卵巣などが壊死してしまい、緊急手術でこれらを切除しなければならない可能性があります。

鼠径ヘルニアの嵌頓についてご理解いただけたでしょうか?鼠径ヘルニアを持っていれば常に嵌頓の危険性があり、1歳以降では自然に治ることが期待できないため予防的に手術が必要となります。

〈参考〉
・鼠径部ヘルニア診療ガイドライン2015(日本ヘルニア学会ガイドライン委員会編)
・標準小児外科学第7版

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自由に生きる小児外科医

自由に生きる小児外科医

都内の病院に勤務している小児外科医。まだまだ修行中ですが、子どもたちの助けになるべく日々奮闘中。詳細はプロフィールをご覧ください。
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