気胸を経験した外科医が語る自然気胸の怖いところ

今回は自然気胸をテーマに書いていこうと思います。なぜかというと、自身も高校生の頃に自然気胸を経験したからです。幸い一度も再発することなく今に至っていますが、もしかすると進路決定の大事な時期に気胸を経験したことが医師を目指す一つのきっかけになっていたのかもしれません。

気胸を発症した時は部活の合宿中でした。ランニング中に胸が痛くてとてもじゃないけど走ることができなくなってしまいました。顧問の先生に病院に連れていってもらい、レントゲン写真で自然気胸であることが発覚しました。幸い安静治療のみで治癒しました。

・若い元気な人が突然胸痛を訴える。

・胸が痛くて深呼吸が難しい。

・ただ歩いているだけなのに胸が痛む。

これらの症状は高校生の自分が自覚した症状です。後ほど説明しますが、自然気胸は非常に頻度が高く、多くの人が経験する病気ではありますが、まれに命を落とすこともあります。少しでも気になれば病院を受診することをおススメします。

それでは、自然気胸とは一体どのような病気なのでしょうか?診断や治療などについて簡単に説明していきます。

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自然気胸とは?

自然気胸とは肺の周囲を取り囲む胸膜の一部に穴が開いてしまう疾患のことです。胸膜に穴が開いてしまうことで空気が胸腔内に漏れてしまい、肺が虚脱して胸痛呼吸困難感などの症状をきたします。肺の虚脱の程度によりⅠ度(軽症)~Ⅲ度(重症)に分類されます。重症の場合には胸腔内に漏れだした空気が心臓や気管を圧迫して緊張性気胸と呼ばれる状態になり、命を落とすこともあります。

自然気胸の原因は?

自然気胸の原因は大きく以下の通りに分類できますが、最も多いものは原因不明の特発性です。特発性自然気胸は誘因なく突然発症します。

特発性自然気胸:原因不明。若年男性に多い。

続発性自然気胸:高齢者に多く、肺気腫や肺癌、間質性肺炎などが原因。

月経随伴性気胸:月経周期に合わせて繰り返す。異所性子宮内膜症に関連。

診断と治療

自然気胸の診断は胸部レントゲンで可能です。最近は肺エコーでの診断も流行っているようですが、あくまで第一選択は胸部レントゲンです。虚脱具合を見て、治療方針を決定します。軽度の虚脱の場合には安静のみで治癒しますが、中等症以上では胸腔ドレーンという管を胸腔内に入れることで治療を行います。繰り返す場合には胸腔鏡を用いた手術を行うこともあります。

再発率

自然気胸の一番の問題点は再発率が高いことです。1度自然気胸を経験した場合には約30~50%が再発します。また、2度経験した場合にはさらに再発率が上昇し、約50~70%となります。何度も繰り返す場合には手術で原因となるブラを切除することがあります。

最後のまとめとして自然気胸の怖いところは以下の3つだと思います。

・緊張性気胸では命にかかわることがある。

・何の誘因もなく元気な若者が突然発症する。

・再発率が非常に高く、何度も繰り返す人が多い。

適切な治療介入が行われれば命に関わることは少ないです。自然気胸が疑われる症状があれば早めに医療機関を受診してください。

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自由に生きる小児外科医

自由に生きる小児外科医

都内の病院に勤務している小児外科医。まだまだ修行中ですが、子どもたちの助けになるべく日々奮闘中。詳細はプロフィールをご覧ください。
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