急性虫垂炎におけるPediatric appendicitis score (PAS)

小児救急

Pediatric appendicitis score (PAS)とは?

Pediatric appendicitis score (PAS)は2002年にSamuel Madanらが報告した小児急性虫垂炎の診断に対するスコアリングシステムです。4歳から15歳までの急性虫垂炎を疑う小児患者1170名を解析して作成されました。以下の項目に記載の通り、8つの項目を10点満点で評価します。

PASでの評価項目は?

PASでは以下の8項目計10点で評価されます。

①右下腹部に移動する痛み(1点)

②右下腹部痛(2点)

③右下腹部の叩打痛(2点)

④嘔気・嘔吐(1点)

⑤食欲不振(1点)

⑥発熱(≧38℃)(1点)

⑦白血球数増加(≧10000mm3)(1点)

⑧好中球数増加(≧7500mm3)(1点)

これら10点満点のうち、7点以上で急性虫垂炎の可能性が非常に高くなります。一方で3点未満であれば急性虫垂炎の可能性は非常に低くなります。

その他の評価方法としては、Alvarado scoreがあります。小児の急性虫垂炎を疑う患者さんに対してはこれらのスコアリングシステムを用いて評価を行うとわかりやすいです。

参考文献

・Samuel, Madan. “Pediatric appendicitis score.” Journal of pediatric surgery 37.6 (2002): 877-881.

・エビデンスに基づいた子供の腹部救急診療ガイドライン2017

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