手術部位感染(Surgical Site Infection、以下SSI)は手術後の合併症の一つとして知られています。SSIの定義や分類について説明します。
SSIとは?
定義:手術後30日以内(インプラントがある場合には1年)に発生した感染
手術の種類によってSSI発生率は異なりますが、日本環境感染学会が実施しているSSIサーベイランスによると、2015年1月1日~12月31日の1年間でのSSI発生率はすべての手術を合わせると7.04%です。
SSIの分類
SSIは以下の3種類に分類することができます。
・表層切開創(superficial incisional)SSI
⇒皮下組織までの感染
・深部切開創(deep incisional)SSI
⇒筋膜や筋肉の感染
・臓器/体腔(organ/space)SSI
⇒体腔内(心膜腔、胸腔、腹腔)や臓器自体の感染
臨床外科学会雑誌第62巻第12号から引用
SSIが起こることによる影響
・入院期間が長くなる
・医療コストがかかる(金銭的な負担が増える)
医療の進歩に伴いSSIの発生率は減少傾向です。そして今なお少しでもSSIを減らすための研究が世界各地で行われています。しかしながら、手術後の合併症として一定の確率で発生してしまうのも事実です。外科医はSSIが少しでも減らせるように努力が必要です。
SSI予防ガイドライン2017についての記事もご覧ください。
SSI予防ガイドライン2017
先日JAMA surgeryからpublishされたアメリカのCDCが発表した2017年のSSI予防に関するガイドライン(Centers for Disease Control and Prevention Guideline for th